無料の静的サイトホスティングサービスを比較・評価する

1. はじめに

 個人のメディアを立ち上げる際,WordPressDrupal に代表される CMS がデファクトスタンダードとして君臨することで,PHP や MySQL が使用できるレンタルサーバーが人気を集め,各ホスティングサービスが鎬を削った時代がありました。しかし,近年では増え続けるプラグインやソフトウェアアーキテクチャに対する不満などの理由から,JekyllGatsbyJS に代表される静的サイトジェネレーターが注目を集めています。そこで,本記事では無料の静的サイトホスティングサービスについて,個人的な観点から比較・評価します。

2. 評価基準

 本記事では,以下の評価基準を基に記述します。

(1) Let's Encrypt の対応状況
(2) スケールアップの対応状況
(3) 学習難易度
(4) 広告の有無
(5) 独自ドメインの対応状況

3. 評価サービス

 本記事では,数多あるホスティングサービスの中から以下の 3 つをピックアップします。

3.1. XFREE

(1) Let's Encrypt の対応状況: 非対応
(2) スケールアップの対応状況: 対応
(3) 学習難易度: 低い
(4) 広告の有無: なし (HTML サーバープランのみ)
(5) 独自ドメインの対応状況: 対応

 XFREE は,Xdomain が提供していたサービスから独立したレンタルサーバーです。HTML や CSS などを FTP でアップロードするという従来の方法なので学習コストは非常に低いです。また,有償プランも存在するのでスケールアップも可能です。しかし,Let's Encrypt に対応していないため,サイトを HTTPS 化するには有償の認証局と契約する必要があります。また,無料で「独自ドメイン + 広告表示なし」は,非常に太っ腹なサービスだった時代もありますが,現在では目新しさは感じられません。以上より,XFREE のようなレンタルサーバーを,あえて選択する利点は少ないように感じます。

3.2. Github Pages

(1) Let's Encrypt の対応状況: 対応
(2) スケールアップの対応状況: 非対応
(3) 学習難易度: やや高め
(4) 広告の有無: なし
(5) 独自ドメインの対応状況: 可能

 Github Pages は,GitHub 社が提供するサービスの 1 つです。Let's Encrypt に対応しているため,無料で独自ドメインを HTTPS 化して運用可能です。しかし,有償プランが存在しないので,使用制限を超える場合は別サービスに移行する必要があります。また,ある程度の操作は Web 上で行えますが,基本的には Git の知識が要求されます。以上より,ドキュメントをホストするには適していると思います。

3.3. Netlify

(1) Let's Encrypt の対応状況: 対応
(2) スケールアップの対応状況: 対応
(3) 学習難易度: 普通
(4) 広告の有無: なし
(5) 独自ドメインの対応状況: 可能

 Netlify は,サンフランシスコに拠点を置く Netlify, Inc. (旧 MakerLoop, Inc.) が運営する静的サイトホスティングサービスです。Netlify の料金プランを参照しても挙げられるほどのデメリットが見当たりません。執筆時点 (2019/06/15) では,最有力の静的サイトホスティングサービスだと考えられます。

3.4. その他

 上記で挙げたサービスの他に,HerokuArukas に代表される PaaS,AWSAzure に代表される IaaS など,静的サイトをホスティングできるサービスは数多く存在します。しかし,これらのサービスは多機能な反面,学習コストが高く,静的サイトのホスティングには適さないと感じます。そのため,本記事では名前を挙げるだけに留めます。

4. おわりに

 本記事では,5 つの評価基準から静的サイトホスティングサービスを比較・評価してきました。ホスティングサービスは日々増え続けており,その情報を収集だけでも非常に大きな労力です。本記事が,ホスティングサービス選びの一助になれば幸いだと思います。

Dutch

コンピュータサイエンスを専攻している大学院生です。趣味は,アニメ鑑賞・プログラミング・ライフハックなどです。


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