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2021-05-06
2021-05-06
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ブックレビュー: 世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

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1. はじめに

 『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』は,八木仁平氏によって執筆されたビジネス書です。KADOKAWA によって出版されており,紙媒体の他,Amazon Kindle や 楽天 Kobo などの電子書籍版も販売されています。

 本書では,まず初めに「やりたいこと」を探す際に陥る間違い真実を体験談を交えながら以下の 5 つ挙げられています。「一生続けられることではなく今一番やりたいこと」では,数年後を見通した計画よりも定期的な見直し方向修正が重要であることが述べられている。また,「見つけるには行動ではなく自己理解が必要」では,行動の自由情報量が多い現代において,「やりたいこと」を無闇に探すよりも自己分析によって選択肢をフィルタリングすることが重要であると述べられています。そして,「人のためではなく自分のために生きる」と「実現手段は社会の中にある」では,多様化する現代において,従来のビジネスモデルだけなく新しいビジネスモデルを開拓することが重要であると述べられています。プロゲーマーやストリーマーなどが最たる例だと思います。

間違い真実
一生続けられることでなかればいけない今一番やりたいことをやればいい
やりたいことを見つけた時は運命的な感覚があるやりたいことを見つけても最初は興味レベル
人のためになることじゃないといけない自分のために生きることが人のためにもなる
見つけるには行動するしかない見つけるには自己理解するしかない
やりたいことが仕事になりたい実現手段は社会の中にある

2. 自己理解メソッド

 本書の特徴として,「本当にやりたいこと」を見つける論理的なプロセスをメソッドとして定義している点にあります。具体的には,以下の 3 要素を定義・組み合わせることで「やりたいこと」を見つけます。

  • 好きなこと (情熱) = What
  • 得意なこと (才能) = How
  • 大事なこと (価値観) = Why

 上記の 3 要素を以下のように組み合わせることによって,「本当にやりたいこと」を見つけていきます。

  • 情熱 × 才能 = やりたいこと
  • やりたいこと × 価値観 = 本当にやりたいこと

 本書では,2 つのルールが設けられています。1 つ目は,「やりたいこと」を書き出す際に職業名を書かないというルールです。これは時代によって職種というのは変化することや,実現手段が限定的になることを避けるためと述べられており,職業名 = 「なりたいもの」として区別されています。2 つ目は,上記の 3 要素を書き出す際は「価値観 → 才能 → 情熱」の順番で書き出すというルールです。これは,Simon Sinek 氏のゴールデンサークル理論がベースになっている思われます。

3. 「価値観」の見つけ方

 「価値観」を見つけるステップとして,以下の質問に答えることから始めます。次に,書き出した答えからマインドマップを作成し,キーワードを整理します。その整理されたキーワードが「価値観」になります。

  • Q1: 尊敬する人は?
  • Q2: 大きな影響を与えた過去の出来事は?
  • Q3: 現代社会に足りないものは?
  • Q4: 客観的に見た「自分が大切にしているもの」は?
  • Q5: 自分の子供や他人に伝えたいことは?

 本書では,「価値観」を整理する際に注意する点がいくつか記述されていますが,ここでは筆者が特に重要だと考える 4 点に絞って記述します。1 つ目は目標価値観を区別することです。価値観は人生のコンパスであり,目標は価値観を達成を表すチェックポイントです。そのため,「価値観を定める → 目標を定める」という順番になります。2 つ目は,「〜したい」という真実の価値観と「〜すべき」という社会的バイアスがかかった間違った価値観をしっかりと区別することです。3 つ目は,コントロール不可能な他人軸の価値観は避け,コントロール可能な自分軸の価値観を定めること。4 つ目は,「自分はこうなりたい」という求道型の価値観と「世界をこうしたい」という覇道型の価値観を区別することです。本書では,覇道型の価値観が「仕事の目的」になると記述されています。

4. 「才能」の見つけ方

 「才能」を見つけるステップとして,以下の質問に答えることから始めます。次に,書き出した答えからキーワードを整理し,「自分の取扱説明書」を作成します。その取扱説明書が自分の「才能」になります。

  • Q1: 人生で充実していた体験は?
  • Q2: 最近イラッとした体験は?
  • Q3: 客観的に見た「自分の長所」とは?
  • Q4: 明日仕事を辞めるとして心残りは?
  • Q5: 人生で成果が出たことは?

 本書では,「才能」を整理する際に注意する点がいくつか記述されていますが,ここでは筆者が特に重要だと考える 3 点に絞って記述します。1 つ目は,「才能」とは他人と比較して秀でている点ではなく無意識下で実行している点を意識すること。2 つ目は,「才能」と「スキル・知識」を区別すること。「スキル・知識」はプログラムや料理など,後天的に身につけられるものを指し,「才能」は先天性のものを指すと本書では定義されています。3 つ目は,「長所」だけでなく「短所」も書き出すことです。「仕事が遅い」という短所も見方を変えれば「慎重」という長所になります。

5. 「情熱」の見つけ方

 「情熱」を見つけるステップとして,以下の質問に答えることから始めます。次に,書き出した答えからキーワードを整理し,「自分の好きなこと」を作成します。そのリストが自分の「情熱」になります。

  • Q1: お金を払って勉強したいことは?
  • Q2: 本棚にはどんなジャンルの本がある?
  • Q3: 出会えて良かった分野・ジャンルは?
  • Q4: お礼を言いたい仕事は?
  • Q5: 世の中に対して怒りを感じることは?

 本書では,「好きなこと (情熱)」を「興味・好奇心を感じる分野」と定義しています。そのため,「お金を稼ぐ」や「料理をする」などの行動自体は「好きなこと (情熱)」の対象外になる点に注意する必要があります。

6. おわりに

 ここまで,『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』で記述されている自己理解メソッドの概要と「価値観」,「才能」,「情熱」の定義と見つけ方について記述してきました。自分のやっている仕事や勉強に自信を持てなくなっている人にオススメしたい一冊です。また,中田敦彦氏が『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を動画で分かりやすく解説しているので,そちらも参照ください。